この記事はマイクロマウスAdventCalendar2024 21日目になります。
昨日は、N.Go.さんの社会人2年目の1年振り返りでした。
社会人マウサーは、だいたい超人しかいない気がしますが、あんまり無理しすぎないようにしましょうね。
さて、この記事ではマイクロマウスタックチャンハーフ化計画ということで、AdventCalendar初日に記事を公開されたPIDream.net氏のマイクロマウスタックチャンをハーフサイズで使えるようにしようというものです。
基本的には、センサー位置をハーフの壁に対応するように作ればそれで終わりといえば、終わりなのですが、一応高校の実習などで使える可能性を生み出せるようにアレンジ?を簡単にですがしていきたいと思います。
キットとして考えると既にRT様からPi:Co V2というとても完成度の高いものが出されているのですが、
- 高校の実習で導入するとなると少し手が出にくい価格
- ハーフだけどはんだ付け作業はさせたい
という2点が個人的には、気になるので解決ができればと思います。
この2点と、M5Stackを取り外せばマイコン制御実習も事前にできることも考えた場合マイクロマウスタックチャンがかなり最適なのではないかと考え、今回の記事に至りました。
なので、今回の目標は
- 金額を抑える
- 手はんだで実装できる
- 見た目の映えを意識する
で作業を開始しました。
まず部品の選定から始めます。基本的にはマイクロマウスタックチャンのままで問題がないので、センサー部分だけハーフで私が使っているOSI5FU3A11CとLTR-4206Eに変更します。またステッピングモータが高いのでどうにかしたかったのですが、「見た目の映え」の部分で性能的にも収まるものが見つけることができなかったので、今回は断念します。一応走行性能を落とせば、あるにはあったのですが、それはどうかと思ったのでやめました。
使用パーツとしては次のようになりました。
CPU | M5StackCore2ver1.1 |
---|---|
バッテリー | M5Stack搭載の3.7v500mAh |
モータ | 26m048b1b |
モータドライバ | drv8834 |
壁センサ | OSI5FU3A11CとLTR-4206E |
次に基板の設計になります。ステッピングモータの駆動に使用しているdrv8834が、そのままチップで実装となると2つ目の目標「手はんだで実装できる」に違反するので、今回はスイッチサイエンス様で販売しているPololuのモータドライバモジュールを使用します。
またマイクロマウスタックチャンでは、クラシックサイズであるためドライブ基板にそのままセンサーが搭載されていますが、ハーフで使用する場合、位置が高すぎるのでセンサー基板として別に製作しコネクタで接続する形にします。この際、手元に合ったチップパーツをひとまず使って設計してしまったので、高校生には難しいかなと思ったのですが、一応手はんだできるレベルなので許してください。実装面積には余裕があるので、リード部品もしくは大きめのチップ部品でも作成ができるように今後変更します。
出来上がったものがこちら
ドライブ基板
センサー基板
続いて、外装とステッピングモータの固定部品になります。この部分に関しては、CADとにらめっこして、なんとか基板の部品を避けつつ、固定ができるように調整を行い、このような部品に落ち着きました。
外装
ステッピングモータ固定
全て、自宅の3Dプリンター製となるので、セッティングをしっかりしていれば、どこでも出力できるものにはなっていると思います。ホイールのタイヤは、ミニ四駆の大径カーボンホイールセットのソフトスリックタイヤを使用しています。
これら全てを組み合わせて、完成したマイクロマウスタックチャンハーフVerがこちら
M5StackCore2ver1.1では、スタックチャンの顔の表示ライブラリが動かなかったので、適当に描きました。
一応、直進と超信地旋回だけは、動かせる程度にはしたので、壁制御がまだ汚いですが、こんな感じで走ります。
プログラムの方は、まだまだ制作途中なので来年度の大会までお待ち下さい。
最後に、今回の目標に対しての評価をしてみましょう
- 金額を抑える
品名 | 金額 |
---|---|
M5StackCore2ver1.1 | 約9000円 |
drv8834ボード | 1434円×2 |
ステッピングモータ | 約4400円×2 |
基板 | 約200円 |
タイヤ | 約300円 |
合計 | 21168円 |
一応金額がぱっとわかるものだけまとめると2万円程度になりました。それなりに予算があれば許されそうな金額には収まりました。安くて使えそうなステッピングモータがあれば、もっと金額は抑えられると思います。
- 手はんだで実装できる
センサー基板が怪しいが、リード部品もしくは大きめのチップ部品に変更が今後可能なので◯
- 見た目の映えを意識する
かわいい
おおよそ目標は達成できたのではないのでしょうか?実際に実習に使用する場合は、もう少し色々と考える部分はありそうですが、ものづくり系部活動が手を出す分には、いいところに落ち着いたかなと思います。
明日は、XFA-27さんの「今年の機体についてでも」です。クラシックとハーフを両方出されていたと思うので、2つの競技に出ている方は必見ですね。